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読書と映画と小説と、平熱的な日々のこと

2023-01-01から1年間の記事一覧

2023年触れてよかったものまとめ

ブログ更新:2023年のいろいろ

上を向いて歩こう。:夏川椎菜「ケーブルサラダ」と小説「ラフセカンド」

夏川椎菜の3rdアルバム「ケーブルサラダ」を聴いた時に、こういう景色を思い出した。 深夜の学生街のカラオケで、二次会だか三次会だかの延長戦で人の気配をそれぞれの個室の奥に感じるのに、通路の方は人気がない。ドア越しに音も声も削られて余韻や残響の…

オレオレ、オレだよ、絶望だよ:ゴジラ−1.0

ゴジラさんも数えれば70歳である。それはそれは色々な役回りを演じてこられた。 戦争や震災の象徴、悪を打ち倒すヒーロー、かと思えば悪辣なヒール役、エトセトラ。子供向けから大人向けまで縦横無尽に立ち回り、「原爆実験の影響で生まれました」の前口上さ…

(ほぼ)何も知らずにTrySailのライブに行ったこと

ほとんど何も知らずにTrySailのライブに行く。 とか言いながら実際はツアー中に2回も行っている。1回目ほぼ何も知らなかったのは事実だが、ライブ始まって最初の3曲ぐらいで「これはもう一周したい」と感動し、終わってすぐ追加公演を予約。1ヶ月後、幕張は…

優しくてか弱くて可愛くてうざい:「おいしいごはんが食べられますように」

高瀬隼子「おいしいごはんが食べられますように」を読む。 職場ものである。そういうジャンルがあるのかどうかはわからないが、便宜的にそう呼ぶ。仕事ものとは少し違う。仕事の興奮やドラマを描くのではなく職場という小さい、限定的な世界のささやかな感情…

おとん、わからんて:aftersun/アフターサン

「aftersun/アフターサン」を観る。 父と娘がつかの間の休暇を楽しむために旅に出る。どうもこの親子は一緒に住んでいるわけではないらしい。だからこの旅行は久々に父が娘に会えるまたとない機会でもある。娘は無邪気である、ビデオカメラでお互いを撮った…

グッバイ呪いたち:「海辺のカフカ」

どうでもいい話だが、ブログの本拠地をFC2からはてなに移行していこうと思う。FC2さん、何年も使い勝手が全く変わらないのは素晴らしいことなのだが、余りに変わらなさすぎて色々と不都合も出てきたので。 村上春樹の「海辺のカフカ」を十何年ぶりに再読した…